夢と葉桜

夢と葉桜

この川の流れるが如(ごと)く
穏(おだ)やかに音色(ねいろ)が聞こえる
吹く風が頬(ほほ)を撫(な)でていく
懐(なつ)かしい思い出が滲(にじ)む


遙(はる)かなる空は
胸を裂(さ)くように
忘れかけた記憶を醒(さ)ます
溢(あふ)れるは涙(なみだ)

白い桜の花の季節は
遠く夢の中にだけ
舞い散る花びらの囁(ささや)いた
忘れられない言葉


眠れない夜を一人きり
歩き出す ぬるい風の中
いたずらにはしゃいでいたまま
気がつけば思い出に変わる


月も雲隠(かく)れ
蒸(む)し暑い日々の
消したい記憶(きおく)も儚(はかな)くは
止まらない涙


刻まれる時間は残酷(ざんこく)に
ヒトを縛(しば)りつけ遊(あそ)ぶ
青々と茂(しげ)る桜の葉は
何も語りはしない


白い桜の花の季節は
遠く夢の中にだけ
舞い散る花びらの囁(かわ)いた
忘れられない言葉

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